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<酸化チタンの光触媒の分解力>
光が酸化チタンに吸収されると、電子( e−)と正孔( h+ )という2つのキャリアが生成します。 一般の物質では、電子と正孔はすぐに再結合してしまいますが、酸化チタン光触媒では、それぞれがしばらく生き残ることになります。 キャリア同士の再結合の割合は、光触媒反応の効率に大きな影響を与えます。
 (図 - 酸化チタンの電子構造)
酸化チタンの大きな特徴は、伝導帯に励起された電子の還元力よりも、正孔の持つ酸化分解力が強力である点です。 光触媒表面には吸着水と呼ばれる水があり、これが正孔によって酸化されると、酸化分解力の高いヒドロキシラジカル( ・OH )ができます。 そして、このヒドロキシラジカルが有機物と反応します。 酸素が存在する場合には、この過程で有機化合物の中間体のラジカルと酸素分子とがラジカル連鎖反応を起こし、酸素が消費されることもあります。 やがて有機物は分解されて、最終的には二酸化炭素と水になります。 条件によっては、有機化合物が直接正孔と反応して酸化分解されることもあります。 一方、対となる還元反応は、空気中の酸素の還元です。 酸素は還元されやすい性質を持っているため、酸素がある場合は、水素の発生が起きる代わりに、酸素の還元反応が進みます。 酸素が還元されるとスーパーオキサイドアニオン( O2- )ができます。 このスーパーオキサイドアニオンは、酸化反応の中間体について過酸化物を形成したり、過酸化水素を経て水になります。
 (図 - 酸化のしくみ)
 (図 - 還元のしくみ)
一般に、有機化合物は水よりも酸化されやすいため、有機化合物の濃度が高くなると、正孔が有機化合物の酸化反応に使われる確立が高くなり、キャリア同士の再結合の割合は減少します。 このように、正孔が十分消費される条件下では、還元サイトにおける酸素分子への電子の移行過程が、光触媒反応全体の反応速度を決めるといわれています。 つまり、電子が酸素分子へ移行しやすいようにすることで、光触媒反応の効率を高めることができます。 これに関しては酸化チタンに金属( 銀 )を坦持させることで解決します。
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